皆様の声・体験談

高橋美里さん(薬剤師 秋田県在住 仮名)の場合

 近況は末尾に加筆してございます。

 「年に一度健康診断を受けおり、2009年に子宮筋腫が見つかりました。自覚症状はありませんでした。今から思うとおりものが若干気になっていたかな。『子宮内膜が厚くなっているね』と言われました。

 それでも、手術するまでではなく、経過観察扱いになったのです。 それから2年が経過し、2011年12月。今度は子宮頸から異常な細胞が見つかりました。異形細胞と呼ぶそうで、HPV(ヒトパピローマウィルス)感染が原因 で正常細胞が変化したものだそうです。前がん状態で、それが数年から十数年でがん化していくものらしいです。この段階で処置すれば子宮を温存出来ます。たとえがん化してもごく初期の段階でしたら温存は可能だそうです。

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しかし、私の場合は子宮筋腫を抱えています。この際、子宮を摘出してしまえば、一挙に解決するということで摘出をすすめられました。手術に踏み切れば、入院から復帰まで1か月はかかります。仕事は?家庭は?いろいろな人達に迷惑や負担をかけてしまう。自分のことより、そちらのことで頭がいっぱい。すぐに手術に踏み切るという気持ちにはなれませんでした。

 さて、異形細胞がどのレベルにあるのか、検査法によって呼び名が変わってきます。がんになる何歩手前なのか、はたしてがんにはなっていないのか。アルファベットと難解な日本語で分類されているため、複雑で分かりにくくとまどいました。

検査には①細胞診(検査)、②コルポスコープ診(検査)(膣拡大鏡診ともいいます)、③組織診(検査)があり、①で注意以上が出ると、②→③と進みます。① の検査で私は、HSIL(高度扁平上皮内病変)という高いレベルでした。(表①参照)これは(中等度異形性~微小浸潤がんの疑いあり)とされます。③の組織検査に進む と、高度異形性か上皮がんのどちらかであると予想されます。ところが一週間してその検査をすると、CIN1(軽度異形性)とCIN2(中度異形性)レベルの結果がでてきたのです(表③参照)。少しだけホッとしました。日本冬虫夏草を飲み始めたのは2月からです。

3月になると①細胞診ではLSIL(軽度扁平上皮内病変)で、(表①参照)③組織検査ではCIN1(軽度異形性)のみの結果で明らかにレベルが低くなっていました(表③参照)。

表(1)細胞診の分類:ベスダ法(システム)

結果 NILM ASC-US(アスカス) ASC-H(アスカス-ハイ) LSIL HSIL SCC
日本語の意味 陰性 意義不明な異型扁平上皮細胞 HSILを除外できない異型扁平上皮細胞 軽度扁平上皮内病変 高度扁平上皮内病変 扁平上皮癌
推定される顕微鏡レベルの異常 腫瘍性の異常はない。炎症のある時がある。 軽い扁平上皮内病変の疑い 高度の扁平上皮病変の疑い HPV感染軽度異形成 中等度異形成~微少浸潤癌の疑い 扁平上皮癌
従来のクラス分類 Ⅰ、Ⅱ Ⅱ~Ⅲa Ⅲa~Ⅲb Ⅲa Ⅲa、Ⅲb、Ⅳ、Ⅴ

表(3)組織診の分類

子宮頸がん
取り扱い規約分類
正常 異形成 dysplasia 上皮内がん(CIS)
軽度(DL) 中等度(DM) 高度(DH)
CIN分類 正常
CIN(上皮内腫瘍)

 私は、これまでの生活を振り返ることにしました。2009年頃から、娘が中二病となり、神経を使うようになりました。目が離せなくなったのです。受験勉強では常に寄り添いサポートしました。

フルタイムの仕事をしてましたし、夫はさらに忙しい仕事を抱えていましたので家事も一人でこなし、受験勉強もとなると睡眠時間を減らすしかありません。平均睡眠は3~4時間ぐらい。4時間眠れば良い方でした。食事にも時間をかけられず、かきこむようにお腹に入れ、常にどこ入っていったか分からない状態でした。

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ある夜、娘の勉強部屋を出て寝室に戻る時、『こんなことを続けていたらいつかがんになる』という予感がよぎったのを覚えています。志望校に合格してからも娘の心は不安定でした。自立を期待する私とこれまでのように関心を持って欲しい娘との間に葛藤が生じました。時間こそが解決してくれると覚悟はするものの、私自身の心が休まることがずっと無かったのです。

 ストレスと睡眠不足と栄養不足が原因なのは明白でした。娘のためにも自らの病気を治すことを優先しよう。娘からはいよいよ手を引くことにしました。自分の時間を作り、ニィーチェやパスカルなどの哲学書から仏教の本を読み、NHK の[100分de名著]で紹介されたヴィクトール・フランクルの「夜と霧」に夢中になりました。私は長いことこのような寄り道をしたことがありませんでした。いつの間にか読書に没頭して現実を忘れてる自分に気が付きました。何かに集中して、余計なことを考えない時間は心地よく充実していました。健康書も読みました。「10時に寝る法」関連、「病気は自分で治す」関連の複数の書籍は実践に役立ちました。

ヒトの体は自然と一体になることにより健全に保たれています。普段そう意識して生活してる人はあまりいないでしょうね。私もそうでした。例えばメラトニンは、睡眠を誘導するホルモンであると同時にがんの増殖を抑制する物質ですが、ヒトは朝日を浴びることで、14時間後にメラトニンが脳の松果体から分泌され、眠くなるしくみを持っています。ただし、分泌には日没後の暗闇というもう一つの条件が必要となります。そうやって夜に活発になるというがん細胞への対応も出来ていたのです。光と闇の2つが揃わなければメラトニンは分泌されず、ヒト本来の能力を発揮できない。『太陽の子』というわけなのでしょう。

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私は、夜10時にはベッドルームの照明を消して休むことにしました。夜中まで起きていた生活のリズムを一変させるのは気合だけでは無理でした。この際、リーゼ (精神安定剤)という薬の力を借りることにしました。夜中に目が覚めることなく、朝まで一直線に眠ることが出来ました。眠りの質も良かった。職場では一日中心穏やかでいられました。

イライラしてしまう原因に睡眠不足があるのだと気が付いたのは収穫でした。眠るための薬は、作用する時間の短いもの、いわゆる軽いものほどクセになり、止められなくなります。リーゼはまさにそれで短期勝負です。1錠だと便秘になったので半分にし、その後1/3錠に減らして3か月間服用しました。

 ヒントを探しに健康セミナーにも足を運びました。遺伝子レベルでがん予防について学びました。

①私達生物は古い細胞を新しい細胞に置き換えながら生き続けますが、新しい細胞を作る際に、細胞の核にある遺伝子のコピーがうまくいかず、どうしてもコピーミスが生じてしまいます。こういう細胞はがんのリスクになりますが、修復能力を持っているので大丈夫。即刻修復されます。ただ、強いストレスがかかると修復しにくくなるといわれています。

②P-53のような抑制遺伝子(現在分ってるだけで100個程度)が備わっていて体内で活躍していますが、これもヘルシーなライフスタイルから遠ざかると働かなくなるそうです。がん遺伝子(現在分ってるだけで数百個)も持っていますが、むやみに恐れることなく、がん抑制遺伝子や免疫システムにしっかり働いてもらえばいいのです。

③がん遺伝子の発現を抑えるにはVC(ビタミンC)の点滴が有効のようです。

 ストレス対処と自然な生活リズム、手作りの自然な食事はなんとか実現出来ていました。(お肉・乳製品・お菓子等はほとんど食べません)私は、早速、VCを取り入れてみようと思いました。野菜や果物だけでは不十分と考え、服用するタイプで顆粒のVC製剤を使いました。実際、体は快調でした。

 さて、2012年4月に思わぬことが起こりました。女性は月経の周期があるために検査の際に隠れて見つからない場合があるそうですが、この時の検査でどうやらこれまで隠れていた小さな子宮ポリープが1個見つかったというものでした。すぐにポリープだけを切除することになりました。手術前、さすがに心細くなりました。どうしょうもなくなって心の内を看護師さんにぶつけました。すると看護師さんは、私の気持ちを温かく受け止めてくれたのです。気持ちが落ち着き、勇気と気力が湧いてきました。この日は日帰り手術でした。白衣の天使とはよく言うけれど、自分が患者になって初めてその大きな存在を知りました。

異形細胞消失。子宮頸がんの不安から解放

 それから3か月が過ぎ、2012年7月28日。再び検査です。結果を聞くまで、 悪くなっていないだろうかといつもドキドキします。こういった思いをされてる人が世の中にどれほどいるのかな。取り越し苦労になるといいのだけれど。

すると結果は呆気ないもので、異常なし。子宮頸に異形細胞は見つからず、正常細胞だけになっていたのです。その日は解放感でいっぱいになり、寄り道をして帰りました。晴れ晴れとした気持ちでショッピングを楽しめたのはずいぶん久しぶりのことでした」

2012年9月1日のお話より

 「その後元気にしています。今日の検査でも無事、異常なし。安堵しています」

2013年4月13日のお話より

 「娘は高校3年生となり、再び受験勉強にいそしんでいます。3年前と比較するとずいぶん落ち着き、大人になりました。私がやってあげられることは『ささえているよ』という雰囲気づくりぐらいかな。今回は自分にブレーキをかけなくてはと肝に銘じています。日本冬虫夏草は量を減らして続けています。子宮筋腫の方も大きくならず、心配はないということで、この度は、先生から『内膜が柔らかくなってますよ』と言われ、むしろ良い方向に向かっています。

実は、眠るために使用していたリーゼという薬ですが、クセになり止められなくなりました。受験が終わるまでというつもりですが、その後の苦労は覚悟しています」

2013年8月17日のお話より

 「試験まで日数もわずかとなり、娘の気持ちはナーバスになってきています。それを受けとめようとすると、どうしようもなく心が消耗します。そこで私は、無理もないことと割り切って、時間を見つけてはドライブに出掛けることを心掛けています。

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心をリセットするのです。新鮮な空気を求め、深呼吸。そして、美しくのどかな風景で心を癒します。短時間のひとり旅ですが、これも大切な薬なのではないかと思っています」

2013年10月13日のお話より

 「経過順調です。定期検査も3か月毎から6か月毎に延びました。油断しないように頑張ります」

2014年1月1日の年賀状のコメントより

 「秋田の桜もやっと咲き始めました。娘の入学式も終わり、やっと自分の時間が持てそうです。睡眠不足も大分続きました。メンテナンスしなくてはと思っています」

2014年4月22日のお手紙より

 「半年に一度の検査がありました。異常なしの結果でした。異形細胞が消失してから無事2年が経過しました」

 2014年8月3日のお手紙より

ウイルス消失。さらに子宮頸がんの不安から解放

 「この度の検査結果も良好でした。子宮頸がんの原因のHPV(ヒトパピローマウィルス)も全く検出されませんでした。当初、『ウィルス検査をやっても高い数値が出て当たり前だからあえてやりません』と言われていました。よって、半年に一度の検査が一年に延びました」

2015年7月15日のお手紙より

 「年に一度の検査を無事通過いたしました。昨年の秋は海外旅行の夢が叶い、ハワイで娘と乗馬体験などをして過ごしました。この秋は、台湾旅行を計画しています。5年前はこんな日が来ることなど考えられませんでした。気を抜かず体を大切にしていくつもりです。日本冬虫夏草も続けています」

2016年8月29日のお話より

 「健康に感謝しながらこの一年を振り返っております。健康は宝もの、財産とは良く言ったものです。他には代え難いものですね」

2016年12月17日のお話より

 「心も体も安定しています。アカデミー賞作品の映画をひとりで観に出掛けたりしてリフレッシュしています。充実した生活を送っています。異形細胞の消失から間もなく5年が経過します」

2017年7月8日にお会いして

 「この夏、台風が頻繁に発生しましたね。日本海側はフェーン現象にみまわれ、秋田県も異例の高温が続きました。年に一度の検査も無事通過しましたが、少々夏の疲れが出たのか、だるさがあります。これから涼しさも徐々に戻ってくると思いますので、メンテナンスに努めたいと思います」

2018年8月26日のお話より

 「元気でおります。幼いころからがまんする性格でした。育った環境もあると思います。現在も周囲に相談出来ずにストレスを抱えてしまう癖があります。性格を変えるのは難しいところがありますね。そうゆうわけで、ストレス発散、リフレッシュのために行動を起こすしかないと思っています。この度のゴールデンウイークは香港で過ごす計画を立てました。文化や言語の違う場所に行くと覚醒して、自分自身のリハビリにもなるといった別の実益もあります。楽しんできます」

2019年3月17日のお話より

自分を肯定して自分に優しくする生き方 高橋美里さんからの手紙

 「改めて振り返らせいただきます。子宮頸がんの検診で高度異型性が見つかり、子宮摘出手術を覚悟したのは2011年の12月のことでした。そんな時に日本冬虫夏草と出会いました。

落ち着いてゆっくり飲むようにしました。今までのハードな生活を見直して睡眠時間を十分に確保し、心の在り方にも気を配るように、まず自分を肯定して、自分に優しくするように心掛けました。

日本冬虫夏草を飲んでからの検査では、経過は、軽度異型性へと改善し、その後何回目からは異常無しとなりました。その後、半年ごとの検診から年1回の検診での経過観察と感覚が延び、今も異常無しが続いています。あれは何だったのかと振り返るとともに、今後の生き方に対する考え方も変わりました。

とにかく元気なうちにやりたいことをやる。行動する。旅行もその一つです。

今年のゴールデンウイークに香港に行ってきました。香港は2回目だったのですが、ただでさえ人口密度の高い香港なのに、今回はさらに混雑していた上に、雨期に入ったのか、霧と雨で100万ドルの夜景は60万ドルの夜景になってしまいましたが、それでも旅は、私のリハビリだと思っています。香港のジェントルマンに優しくされ、力強く主張してくる食べ物屋さん、危ない感じのインド系の人...皆、私の中の常識を180度変えてくれました。

 こうして生きている実感があるのも、健康が基盤になっているからですね。心からありがとうと感謝しています」

2019年5月14日のお手紙より

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ビクトリア・ピークからの夜景
(ご本人による撮影)
この夏にはデモ。暮れからはコロナ禍。
この5月が数少ないチャンスだった。

 「検査を無事通過いたしました。今年も厳しい夏でしたね。一年のうちで最も弱るのは、夏だなと実感しています。暑さも落ち着いてくると思いますので、これからは体のメンテナンスに集中できると思います。日本冬虫夏草も多めに飲むつもりです」

2019年9月8日のお話より

 「秋田にも待ちに待った春が訪れ、『ガーデニングをそろそろ始めなくちゃ』と計画しているところです。秋田市のサクラ開花予想は4月10日です。心身ともに元気にしています」

2021年4月3日のお話より

 「遅い夏休みを取り、ひとりドライブ。乳頭温泉まで足をのばしました。やわらかい泉質でした。心身ともにリフレッシュ出来ました」

2021年9月18日のお話より

 「異形細胞が消失して子宮摘出手術を回避してから再発なく元気に10年が経過しました。また、義理の兄が悪性リンパ腫の抗がん剤治療を終えてから再発なく元気に5年が経過しました。その体験談を寄稿させていただきます」

義理のお兄様のお話はこちらです。

2022年9月8日のお話より

 「今年は、春の訪れをずいぶん早く感じます。暖かくなったらやろうと思ってることに、焚火のそばでのんびり読書をすること。ラッキーなことに自宅周辺にキャンプのできる場所があります。プチソロキャンプってとこかな」

2023年4月2日のお話より

 「7月15日の土曜日は仕事でした。豪雨の中帰宅し、私用で上京せねばならず、飛行機で向かいました。今、36℃の猛暑の中歩いています。今日出勤している同僚は大変な思いをしてるでしょうね。私もこれから秋田に戻ります。どうなっていることやらと心配ですが、元気で頑張ります」

2023年7月16日のお話より

 この度の洪水被害に際し、心よりお見舞い申し上げます。 皆様の安全と被災地の一日も早いご復興を心よりお祈り申し上げます。

 「秋田は記録的な暑さが続いています。今日は、日帰り旅行で新潟に来ています。市場の海鮮料理を満喫して、今、海岸沿いをドライブしているところです。この後、ホーンテットマンション(映画)を観て帰る予定でいます。残暑も極めて厳しいですが、元気に乗り越えられそうです」

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2023年9月2日のお話より

 「かわらず元気にしております。再発なく11年7か月が経つところです。ところで以前、薬の力を借りて眠っていた時期のお話をしましたが、あのあと、薬とはすっかり縁を切ることが出来ています。よく眠れています。義兄も再発なく元気に過ごしております」

2024年2月23日にお会いして

N.M.I.
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