皆様の声・体験談

山下邦雄さん(薬剤師 東京都在住)の場合

 「我が家は両親および兄、妹の身内4人が、がん死(4人とも胃摘出手術をうけ、内3人は胃がんが直接の死因)するというがん家系らしく、私も用心して20年以上毎年胃検診(X線、又は胃内視鏡)を受けてきました。2009年は胃X線透視後要精密検査といわれ、内視鏡検査を受け、異常なしとなりました。2010年は要精密検査なしで済みました。

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 2011年は、6月初旬に直接内視鏡検査を受けたところ肉眼でも胃がんといわれ、病理組織検査では印環細胞がん、即ち未分化のスキルスタイプと診断されました。通常がんと診断されると、一瞬頭の中が真っ白になって呆然とするといわれていますが、私の場合には、いよいよ来るものが来たかという冷静な受け止め方ができました。

 発見者はごく近隣の久米川病院の内科医でしたが、すぐに、近くの公的病院の外科を紹介されました。外科の諸検査の結果、ステージⅠaの早期胃がんと診断されて、手術の準備をされました。しかし、私は新潟大学の安保徹教授の教えに従って、内視鏡手術(ESD)なら受けるが、開腹手術は辞退したい旨を申し出て、内科の内視鏡手術医を紹介してもらいました。

 ところがこの内科医は理由も明らかにすることなく、いきなりこの症例は外科手術適応として有無をいわさない剣幕で外科逆送と独断で決めようとしました。私はステージⅠaの早期胃がんであるなら、内視鏡手術を受けた後、足りない部分を自律神経免疫療法と日本冬虫夏草を2本柱とし、その他多くの代替療法で療養するつもりでおりました。

 実は胃内視鏡手術の適応にはガイドラインがあります。それは①分化型細胞がんであること、②潰瘍又は潰瘍痕がないこと、③腫瘍が2cm未満であることなどです。私の場合は、未分化型がんであることからこのガイドラインから外れていることが、後程判明しました。私は自分の信奉する代替療法を続けながら、この公的病院との意見の相違等のため、当該病院での手術を断念し、結局最初の久米川病院に戻される形となりました。

 この時、発見から約4か月の月日が流れていました。病院での治療はやってませんので、自分の実行する療法がどうだったか確認するつもりで再度胃内視鏡検査を受けたところ、医師は先入観があったせいか、前回と同様の診断結果を出し、改めて2つ目の公的病院外科を紹介しました。

 その紹介状には未分化型のスキルスタイプの胃がんと記されておりました。通常スキルスタイプの胃がんは進行が早く、早期の手術が必要と医学書には書かれています。

 私が行なって来た代替療法は先の2つに加えて、漢方薬の補中益気湯と十全大補湯、ビタミンCの大量内服(10g/日)、健康食品のフコイダン、抗潰瘍剤ガスロンN(4mg 1T/日)、ビワの葉罨法(あんぽう)と生姜湯湿布、足湯、それに飲尿療法です。

 飲尿療法はがん発見直後から朝一番の尿約30ccを一気に飲み干すものです。日本冬虫夏草の飲用は少し遅れて始めています。数日してそれまでの無味だった尿がすごく塩辛くなって、飲めなくなりました。これは日本冬虫夏草の新しい作用機序ではなかろうかと思います。尿中に体中の塩分が排泄されることは無塩食事療法で有名なゲルソン療法に通じる作用効果で、この療法では体内の細胞内のNaをすべてKにおき代えることを目的にしています。

日本冬虫夏草は液体で、2か月間毎日180mLを分4で飲用しましたが、2か月で一応飲用を中止して、飲尿を再開すると数日後から尿の塩辛さが全て無くなったことから、日本冬虫夏草が原因であったことが明確になりました。

私が実践した代替療法
1.日本冬虫夏草

2.補中益気湯エキス
3.十全大補湯エキス
4.フコイダン
5.ビタミンC
6.ガスロンN
7.自律神経免疫療法
8.ビワの葉罨法
9.生姜湿布
10.足湯
11.飲尿療法

スキルス胃がん細胞消失。外科手術必要なし

 2011年10月6日。2つ目の公的病院でも外科には受診せず内科を受診し、ここでも内視鏡手術が駄目なら外科手術も止むを得ないと観念して、5回目の内視鏡検査を受けました。その結果が10月14日に判明しました。

 医師は首をかしげて不思議そうな面持ちで『がん細胞が見当たらない』と発言。外科に送るためには、再確認のため、もう1回内視鏡検査を実施したいとの意向で6回目の内視鏡検査とCT検査を受けました。勿論組織を採っての病理検査も併行して行われました。その結果が判明したのは10月24日。やはり、がん細胞は見つかりませんでした。ですから外科手術も必要ありません。

 私が勉強し、信奉してきた各種の代替療法の勝利です。天にも昇る心地というのはこのようなことを言うのでしょうか。 この4か月以上にわたって4、5名の医師より早期の外科手術をすすめられてきたのを何とか先延ばしにしてきました。 一部の臓器でも手術で切除されたらQOLが低下し、一生死ぬまで何らかの身体的不具合を感じながらの生活となったでしょう。望外の喜びです。その場に同席していた家内も大変な喜びようで、その夜は赤飯を炊いて二人で祝杯を挙げました。


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生き方を変えてみる

 一度がんにかかって治癒した人はがんを経験したことのない人に比べて8~16倍も他の部位臓器のがんにかかり易いという統計もあるようです。過去の生活環境、性格、食事、考え方等あらゆる面で反省し、改善し、ストレスをためないように心掛けようと思いました。

 その後は、①漢方薬の補中益気湯7.5g/日分3、②抗潰瘍剤ガスロンN1T/日、③ビタミンC原末5g/日分1、④日本冬虫夏草を粉末に変えて1g/日分2、⑤Se30.2μgを含むマルチミネラル3T/日分1、⑥ウコン100%3g/日分3、⑦ニューフットウェル使用による手足指先の微小振動刺戟(しげき)を利用した自律神経免疫療法1日2回毎回手足指を含め2分、⑧ビワの葉罨法(あんぽう)1日1回30分、⑨生姜湿布1日1回30分、⑩湯タンポ使用による就寝時の足指先保温、⑪毎日の入浴、⑫その他発がん防止が期待される玄米菜食、塩分控え目食、獣肉控え目食、緑茶、みかん、ヨーグルト、各種野菜の多食、大豆製品の多食、ニンニク・生姜の常食、茸類の多食、精製白糖・三温糖の使用制限等の食事療法を実践してきました。  

 最近、精神・神経・免疫腫瘍学(英語ではPsycho-neuro-immuno-oncology)という学問が急展開して、がんには精神的要素が大きく関わっていることが分かってきました。心の持ち方次第では自然治癒もありうるし、奇跡ではないのです。精神的にゆとりのある毎日を愉快に、朗らかに、明るく笑って感謝の日々を送ることが、がんにかかり難く、かかっても治り易く、高い生存率が得られることが分かってきました。

名古屋に末期がんから生還した元がん患者の数百人規模の「いずみの会」という会があるそうです。その会合に出席する人々はとても元がん患者とは思えないほど、明るい表情で活発な発言をし、大きく笑い、周囲に対する思いやりの深い方ばかりで、年間のがん死亡率が数パーセントだそうで、多くの方が天寿を全うするそうです。

発がんの大きな原因の一つに精神的、肉体的ストレスがあります。そのストレスがなくなればがんが消滅することは自然の道理であります。また、適度な運動は発がん抑制とがん治療の一翼を担っています。私の場合2011年8月半ばで退職したために、人間関係のストレスから解放されたのは、治るために良い条件でした。そして運動ですが、従来より実行していた水泳、アスレチック運動を継続しています。

 先の1つ目の公的病院で乱暴な対応をした内科医には後日談があります。それは私が『内視鏡手術で足りない部分は自律神経免疫療法その他の代替療法で補足したい』と発言した途端に不快感を示し、『免疫療法でがんが治癒する実例があるのか』と反問して来たことです。西洋医学一辺倒の病院の医師はあらゆる代替療法に不信感を抱き、反感を持っていることが見て取れました。その後の私の経緯は直接その内科医には通知していませんが、内科のナースにはがん細胞発見せずとの文書を提供しています。

既製概念にとらわれず、自ら情報収集、自ら選択

本稿の教訓は定期的な健診と西洋医学の三大療法(手術・抗がん剤・放射線の通常療法)に頼らない治療法です。従って、がんが発見されても病院の医師の指示、発言に惑わされずに、独自の情報網を使って、多くの情報を集め、多くの選択肢の中から最適の治療法を自分が選ぶことでしょう。医師からの情報も必要な場合があるかも知れませんが、それを盲信せず、独自の判断で情報を選択することでしょう。

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 早期の胃がんでは腫瘍マーカー(CA19-9とCEA)はほとんど陰性で、診断の決め手にはなり得ず、やはり胃内視鏡と組織の病理検査が決め手です。今回の私の場合、最終診断に至るまでには6回も検査を重ねました。最初の4回では胃がん陽性、5回と6回目で陰性と出たわけですが、3つの病院でそれぞれ2回ずつ行ったことになります。費用も馬鹿になりません。公的保険でカバーされている部分はたかが知れています。自律神経免疫療法と健康食品は高価で、かなりのダメージでしたが、命には代えられません。

スキルス胃がんの通常療法について

 2011年の当時の専門雑誌から引用すると、スキルス胃がんは胃がん全体の7~10%を占め、比較的若い女性に発症例が多いという。早期発見は困難で、腹膜に転移しやすいという。スキルス胃がんと診断された患者の半数余りは既に腹膜に転移した進行がんというデータもある。スキルス胃がんが発見された時に腹膜播種等の転移がなければ治療の基本は手術。術後に腹膜播種の形で再発のケースが多いという。手術時腹膜播種が肉眼で見えないケースでも、微小転移が既に起きていて、時間の経過とともに大きく増殖する。

 スキルス胃がんの病院での標準治療は普通の胃がんと同様、転移がなければ、胃切除。その後一年間は再発予防のためTS-1を経口投与。術後の化学療法で、普通の胃がんの場合、3年生存率70~80%、5年生存率60~70%。スキルス胃がんでは3年生存が20~30%、5年生存はデータがないので10~20%と推定。最新のスキルス胃がんの治療法は手術+術後のTS-1とシスプラチン、タキソールの併用。

 既に転移陽性例や術後再発例ではTS-1とシスプラチンの併用が標準治療とされている。この治療での生存期間の中央値は13か月とされている。但し術前にTS-1とシスプラチンを1クール実施して手術すると、根治の可能性もあるという。タキソール(iv)は消化器毒性が低く、術直後からの使用も可。一般的に術後化学療法は6週後から始めるという。

 以上のようにスキルス胃がんは予後不良例が多いようです。これらの治療を一切受けなかった私のようなケースは非常に稀ではないかと思われます」

山下邦雄さん2011年執筆の原稿より

カロチノイド腫瘍消失

 「その後の経緯ですが、2012年12月14日にカルチノイド腫瘍細胞が見つかりました。通常の胃がん細胞とは性質が異なり、穏やかで成長も遅いことからカルチノイド(がんもどき)と呼ばれています。治療としては、所在場所の関係から内視鏡手術は不可能であり、内科的薬物療法もなく、外科手術のみだそうです。

 私が実行した代替療法は以下の通り、3か月間継続しました。2013年4月5日の病理組織検査ではカルチノイド腫瘍細胞が見つからず、この件についても医師からは『ありえないこと』と不思議がられました」


Ⅰ 医薬品
(1)本草十全大補湯エキス顆粒     9g/日 分3
(2)本草補中益気湯エキス顆粒     7.5g/日 分3
(3)カイトロン            10mg 3T/日 分3
(4)セレガスロン           4mg 1T/日 分1
(5)バイアスピリン          100mg 1T/日 分1
(6)ビタミンC純末          10g/日 分2

Ⅱ 健康食品
(1)日本冬虫夏草粉末          2g/日 分2
(2)Se30.2μgを含むマルチミネラル 3T/日 分1
(3)ウコン100%粉末          3g/日 分3

Ⅲ 物理療法
(1)自律神経免疫療法として両手指爪もみ 各指 各10回 1日数回
(2)自律神経免疫療法として両手指先電気微振動刺戟 1回2分 1日1回
(3)ヘルストロン全身通電 6000V 1日1回20分 1週4~5日

Ⅳ 運動療法
 水泳とアスレチック 1回2時間夫々週2回

Ⅴ ストレス解消のための精神療法
(1)薬局における調剤と患者服薬指導 1日約6時間 週2回
(2)詩吟練習 1日30分 毎日
(3)デイサービスにおける高齢者対象のボランティア活動 1回2時間 週1回
(4)音楽と絵書画鑑賞 随時
(5)お笑い(TVとCD等による落語、漫才等) 随時

Ⅵ 食事療法
 玄米菜食、低塩味付け、ヨーグルトとにんにく多食、豆乳飲用、緑茶葉の徹底利用、
 獣肉と精白糖排除、完全咀嚼、生水の飲用禁止

Ⅶ 温熱療法
 湯たんぽ使用による足温、生姜紅茶飲用  

※追記:
 3月中旬より瘀血対策と冷え対策目的の 本草桂枝茯苓丸エキス顆粒 7.5g/日 分3

山下邦雄さん2013年執筆の原稿より抜粋

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あとがき

 「身内4人の胃がんの治療は、病院での一般的な(通常)療法でした。医師に全ておまかせでした。代替療法なるものは全くやってなかったのです。そんなことがあって、私は、高齢を意識するようになった頃、世の中にあるあらゆる療法を試してみようと思いました。

 知識の土台が無いと、いざ『がん』と告知された時、パニックになり、落ち込み、頼みの綱である免疫力まで下げてしまう。いざという時、取り乱さず、静かな姿勢で立ち向かいたい。努力をしたいと思ったのです。そのための準備というわけです。

 病院の通常療法は、治そうとする自分に対して、悪いところを切り取ってくれたり、小さくしてくれたり、あくまで手助けに過ぎません。最終的に病気を治すのは自分の力だということ。そして、その力を引き出すには努力が欠かせないこと。そんな原理原則を理解している人が非常に少ないように思います。

 私は、スキルス胃がんになる1~2年前に図書館で日本冬虫夏草の本と出合い、知識の一つとして備えていました。

水泳やアスレチック、自転車の運動は10年以上続けています。水泳は週に2度、合計4000mは泳ぎます。一日で体重が0.5~1kg減ります。

肉体を鍛えることによって思わぬ副産物がありました。自信というものが身に付きました。信念を貫く強さも身に付いたのです。

やま4.jpg人間は本来弱いものです。周囲から否定されたり、様々な意見に翻弄されたりして、簡単に心が揺れ動いてしまいます。思わぬ攻撃にも合います。信念を貫くことほど難しいことはありません。肉体を鍛えてるかどうかは、大きな差です。運命が変わってしまいます。

 胃がんの原因にピロリ菌やタバコが取り沙汰されますが、2003年頃、検査でピロリ菌陽性と分かり除菌治療を受けました。でも除菌しきれなかったのです。除菌治療も万全ではありません。2011年にピロリ菌が指摘されましたが、その後は触れられることはありませんでした。タバコは25~26歳の頃に葉巻をくゆらした程度でした。

病名を告げられた時もそうですが、自覚症状は全く無く、これまで食欲が落ちたことは一度もありません。毎日晩酌も欠かしませんし、日本酒なら一合程度いただきます。お気に入りの地酒を求め、年に一度蔵元まで赴くのを楽しみにしています。常に美味しく食事をしてきました。幸せなことです。

 2013年12月12日。訪問看護師さん主催の『がんカフェ』で私の闘病記を配布し、概略の説明をしました。聞き手は、元がん患者さんと医療関係者の方々です。病気になった時、慌てないように準備しておくことの大切さを説いています。準備とは知識の土台と肉体の鍛錬です。

 週に一度は老人ホームやデイケアセンターでボランティア活動をしています。紙芝居をしたり、本を朗読したり、肩もみをさせていただいたりです。この頃はお世話になった社会にお返しすることが私の生きがいとなっております。

2014年2月10日のお話より

2月24日に病理検査を受けました。8検体いずれからも悪性細胞なしとの判定をいただきました。

2014年3月11日のお便りより

やま5.jpg 山下邦雄氏1934生。
1957年3月千葉大学薬学部卒。20年間製薬会社に勤務後 管理薬剤師として複数の商事会社、医薬品販売会社等に勤務。1961年通訳案内 士資格(英)取得、2003年ケアマネジャー資格取得。
やま6.jpg 現在は調剤薬局に週2日 パート勤務。
2013年には全国の病院や調剤薬局で読まれている
専門誌「ファーマ トリビューン」に自身の
『薬剤師の闘病記』が掲載され、大きな反響を呼ぶ。
N.M.I.
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