皆様の声・体験談

壇ゆき子さん(仮名・福島県在住・60才)の場合

 福島県の壇ゆき子さん(仮名)は、96年1月10日に出血性潰瘍で大腸手術を行なうが、開腹してみると腫瘍がもはやあちこちに散らばっており、手をつけられる状態でなく、そのまま閉じることになった。説明では盲腸がんとがん性腹膜炎で3か月の命とのこと。

ご主人は、本人に告知しないように主治医に頼み、代わりに「手術は成功しました。出血性の潰瘍で悪いところは全部取りましたから心配要りませんよ」と告げてもらう。抗がん剤も放射線も一切やらず、2月20日に退院した。入院中に2月2日から日本冬虫夏草を飲み始める。

 それから3か月目の6月7日に病院に行くと、主治医が大変不思議がった。出血もなければ、排便も普通 に戻っていたし、食欲もあるのだから。「何か特別のことをやっているの?」と質問されたが、「何もやっていません」とだけ答えておいた。ご主人は妻の発病した原因を薬害ではないかとの思いがよぎった。毎日高血圧の薬を欠かすことがなかったし、糖尿の薬も使用していた。薬はすべて止めさせようと思った。血圧を日に3回計り、高くなければ薬は飲ませないようにしようと。計ってみると高くなることはまずなかった。血圧の薬を飲み始めたきっかけは、4人の子供たちの大学進学が続いた20年前。疲労やストレスを抱え、血圧も不安定になっていた。時が過ぎて肩の荷が降りても、薬の服用を止めることはなかった。

 口からは毎日様々な化学物質が入ってくる。それは食品添加物だったり、農薬だったりするけれど、肝臓はそれらを文句も言わず解毒しつづける。さらに医薬品が毎日入って来るとなれば、いくら有能な肝臓でも処理できない日が必ずやってくる。肝障害を起こす前に、処理できないものは皮下組織の細胞と細胞の間のマトリックスというところに集められ、そこにいる免疫細胞のマクロファージやNK細胞が処理をはじめる。しかし処理できる数は限られるので、体液が汚れていけば、毎日発生するがん細胞の処理まで手が回らなくなる。

118693180.jpeg 壇さんは術後、薬の服用を止め1年5か月が過ぎた。やわらかい食事こそ続けているが、現在も体調は良好。主治医から「不思議だなあ、どうしてこうゆうふうになったのかなあ」と言われる。今年の夏にはお孫さんと京都旅行を計画している。

朝日ウイル(北燈社)1997年10月7日号より

N.M.I.
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