皆様の声・体験談

海野秀美さんの場合

 海野秀美さんがステージ(進行病期)Ⅳ期の乳がんと診断されたのは一昨年の7月、36歳のときでした。右の乳房にできたがんが左の乳房や背骨、骨盤、股関節、膝、さらに肝臓や右の腎臓、肺など、全身へ転移していたのです。

Ⅳ期(末期)の乳がんで手術不能骨転移し足腰が立たない

 「典型的な末期がんです。手術もできない状態なので、あと3か月くらいの余命だと思います」海野さんの夫と両親はA総合病院(香川県丸亀市)の担当医から、こう告げられました。

実際、海野さんの右の乳房は腫瘍のために硬くなり、左の乳房のしこりは直径6cmという大きさでした。加えて、腫瘍に冒された背骨や骨盤などが脆くなり、異常な変形を遂げていたのです。「私自身が右の乳房のしこりに気づいたのは、乳がんと診断される1年くらい前からです。当初は乳腺線維線腫のような良性腫瘍と思っていました。しかし、そのうちに腰が痛くなり、歩くのもしんどくなりました。身体もどんどん痩せていったので、『これはがんが全身に転移してるからではないか』と思い始めたのです」と海野さんは振り返ります。

 実は、海野さんは、20代のとき看護婦をしており、最初に勤務した病院ではがん病棟に配属されていたのです。そこでは、手術や抗がん剤等の積極的治療を受けなければもっと長く生きられたと思われるケースや、術後の障害や薬の副作用に苦しまずに済んだと考えられるケースを目の当たりにしてきました。

そのため自分ががんになったときは、一切そうした治療は受けまいと決めていたのです。

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「身体の調子が悪くなるに従い、内心『これはがんだ』と確信しましたが、治療を受けないと決めた以上、夫や実の両親にも何も話さないでいたのです」(海野さん)

ところが、がんが腰骨へ転移し激しい腰痛から足腰が立たなくなったことから、とうとうA総合病院で精密検査を受けることになったのです。その結果 、末期の乳がんと診断されたことは先述した通りです。

抗がん剤の副作用が楽に!

 海野さんは現代医学による積極的治療は受けないと決めたものの、主治医の佐藤医師と母親の幸子さんのたっての勧めに折れ、化学療法を受けることを了解しました。エンドキサン+アドリシアン+5FUの三種類の抗がん剤を使用するCAF療法です。CAF療法は1クール28日間で、初日に三種類の抗がん剤を静脈へ点滴投与し、合計6クール行うのが通常の方法です。

母親の幸子さんが娘に抗がん剤治療を勧めたのは、「『治るかもしれない』という強い希望を持てば、余命が延び、あと6か月くらい持つかもしれません」と担当医からアドバイスされたからです。

いずれにしてもわずかな余命ですが、その間、なんとか愛娘を助ける治療法を探し出そうという思いから勧めたのです。

 「末期がんには『日本冬虫夏草』という良いものがありますよ」大腸がんを患ったことのある東京の知人から、こんな朗報が本人のもとに届いたのは間もなくのことでした。私は抗がん剤の副作用で髪が抜け、激しい吐き気と嘔吐に繰り返し襲われていました。ところが『日本冬虫夏草』を飲み始めた途端、そうした副作用が軽減し、毎日楽に過ごせるようになったのです」(海野さん)

担当医が驚いたのは、白血球の増加現象です。通常、抗がん剤を投与されると、その副作用から骨髄機能は低下し白血球数が減少します。しかし、海野さんの場合、それとはまったく逆に、白血球の数が次第に増えていったのです。血液をつくる骨髄機能が強くなっていることは明らかでした。もっと大きな変化は、骨転移によって生じていた腰痛が軽くなっていったことです。それまで日々強まる腰痛にモルヒネ(MSコンチン)の増量で対応していた担当医は、痛みを口にしなくなった海野さんに戸惑ってしまいました。モルヒネをどれだけ増やせばいいのか、その目安がつかなくなったからです。

 「秀美さんは痛いのに痛いと言わなくなりました。我慢しているに違いない。本当はどのくらい痛いのか、お母さんから聞いてください」担当医は母の幸子さんに、こう頼んだこともありましたが、しかし、『日本冬虫夏草』を飲み始めてから、痛みが日々軽くなっていったのは事実以外のなにものでもありません。実際、飲み始めて2か月後の9月末、モルヒネの服用を一切やめることも可能になったのです。

全身の転移巣が消失し10か月後に退院

 抗がん剤によるCAF療法を受ける一方、『日本冬虫夏草』を毎日飲み続けた海野さんの病状は日一日ごとに改善していきました。「乳房のしこりが縮小し始めたことに気づいたのは飲み始めて1か月後の9月上旬です。5か月後の12月には直径6cmもあった左の乳房のしこりが完全に消えてしまったのです」(海野さん)

12月に受けたレントゲンとCT検査では、骨盤の変形がまだ少し認められるものの、左乳房や肝臓、肺、頸骨への転移巣が消失していました。急速な病抗の改善が「日本冬虫夏草」によるものだと確信した海野さんは、6クール目のCAF療法をやめ、『日本冬虫夏草』だけで治療することを決意しましたが、病状はその後も改善し続け、3月にはベッドから起きあがり、再び立って歩けるようになったのです。

そして、5月のレントゲンとCT検査では、原発巣の右乳房の陰を除いて、すべての転移巣が消失していました。そして、6月には退院し、勤め先の現場への復帰も果たしたのです。実際、自分の眼で確認しないことには、にわかに信じられない驚異的な回復ぶりといえます。

2週間~1か月で判別できる

 海野さんは昨年の6月に退院して以降、食欲が増大し、一時36kgまで減った体重が元の40kgを超えて44kgに増えました。「普通 の日常生活を送れるようになり夢のようです」(海野さん)

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 現在、海野さんは月に1回、岡山のS病院で治療と定期検査を受けています。乳がんの再発と骨転移の予防のための薬を注射し、乳がんと骨腫瘍の腫瘍マーカーを検査しているのは、右の乳房にまだ小さなしこりが残っているからです。しかし、退院後、一度も腫瘍マーカーは上昇していません。「末期がんから奇跡の生還を果たせたのは「日本冬虫夏草のおかげです」と力強く海野さんは語ります。

「さわやか元気」2002年3月号より

N.M.I.
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