がんと無縁でいるために

がんの10年生存率55.5%に上昇(国立がん研究センターの調査)

 国立がん研究センターは28日、2001~04年にがんと診断された人の10年生存率は55.5%だったと発表した。昨年の調査より1.3ポイント上昇した。前立腺がんは90%以上と高い一方で、食道、胆のう胆道、肝臓、膵臓(すいぞう)がんは30%未満と低かった。

 全国がんセンター協議会(全がん協)に加盟する20施設で診断を受けた5万7147人を対象に調べた。今回から計算法を変えたため、生存率は昨年の58.5%より低くなっているが、新しい方法で計算し直すと、昨年の数値は54.2%になるという。国立がん研究センターは改善した要因として、治療効果の高い抗がん剤の開発、放射線治療や早期発見技術の進歩などを挙げている。

 5年生存率の算出は、07~09年に32施設でがんと診断された13万2869人を対象にした。がん全体では67.6%で、1997年の62%から改善した。前立腺がんは100%、乳がんは約94%、甲状腺がんは約92%と高かった。

【 がんの10年生存率(2001~04年に診断された患者)】

全体 55.5%

前立腺がん 92.4%
甲状腺がん 86.0%
乳がん 82.8%
子宮体がん 79.0%
子宮頸がん 69.8%
大腸がん 65.9%
胃がん 64.3%
肺がん 30.4%
胆のう・胆道がん 15.2%
肝臓がん 14.6%
膵臓がん 5.0%

2018年3月1日 日本経済新聞より

N.M.I.
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