がんと無縁でいるために

がん幹細胞を叩け

 がん細胞を生み出すもとである「がん幹細胞」を標的とした臨床研究が相次いで始まる。慶応義塾大学などは胃、大阪大学は肝臓が対象で、いずれもがん幹細胞の表面にある物質の働きを抑える。現在の治療でがんが治りにくく再発しやすいのは、がん幹細胞まで叩けていないからだと考えられている。新手法で効果が確認できれば、治療の大きな進展が期待できる。

完治を阻む元凶 「がん幹細胞」

 がんが生まれるもとになっている親玉細胞で、永続的にがん細胞を作り続ける。ハチに例えると、がん幹細胞は女王バチ、通常のがん細胞は働きバチに相当する。がん組織の中で、数%ががん幹細胞とみられる。

 がん幹細胞は1997年に白血病で見つかり、他のがんでも存在が確認された。自分自身を複製する能力も持ち、抗がん剤や放射線による治療でも死滅しにくいため、がん再発や転移の要因になっているとの見方が一般的だ。

2012年9月18日 日本経済新聞より

再発を繰り返し、再発を止めた方々のお話はこちらです。

N.M.I.
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