研究・論文

1977年 サイエンス日本版にて『ハチタケの抗腫瘍性』を発表

 人工培養に成功したハチタケを使って、その抗腫瘍性を調べた。

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1977年(昭52年)サイエンス日本版

 抗腫瘍性を調べる際、ハチタケの成分を試料としてエタノール抽出する必要がある。そのためにエタノールと水を1対2の割合にした液にハチタケを加え、その成分を抽出した。そして10000rpm、15min遠心分離を行い、上澄を濃縮、凍結乾燥して、エタノールフラクション(Eフラクション)とした。

 抗腫瘍性実験は1群12匹のマウスで行った。マウスの右後肢大腿部筋肉内にエールリッヒ腹水癌細胞を100万個移植した、Eフラクションは癌細胞を移植して24時間後から、1日1回ずつ5回腹腔内に投与した。癌細胞を移植して10日後にマウスの腫瘍重量を求め、同時に実施した対照の生理食塩液投与群の平均腫瘍重量とを比較して抑制率を算出した。その結果は下の表に示す。(表略)

 以上の実験によって、ハチタケのEフラクションは(50mg/kg)×5において78% の腫瘍抑制率を示し、かなり強い抗腫瘍性が認められた。

※以上はマウスを使った実験結果であり、人に対しても全く同じということではありません。より人に近い哺乳類の仲間を使って生理活性を見ています。

★1977年(昭52年)・日本医学会東北支部大会(秋田大学医学部)
東北薬科大学ガン研究所・佐々木健一教授、石川正明先生らと矢萩(本書の共同執筆 者)の共同研究である『ハチタケの人工培養とその抗腫瘍性について』を発表。

N.M.I.
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