紀行・分類図鑑

冬虫夏草 オサムシタケ

オサムシタケ.jpg

オサムシタケ
Tilachldiopsis nigra Yakusiji et Kumazawa

発生地:山形県・釜渕
採集年月日:Aug.5,1980

鞘翅目Coleoptera、オサムシ科Carabidaeの幼 虫、または成虫に寄生する虫草で、幼虫の胸部や口部、腹部、尾部より1〜15本の不完全型の子実体を不規則に発生させる。

鞘翅目、甲虫類の中でもオサムシは、ミミズ、カタツムリ、蝶や蛾の幼虫を食べる肉食系の昆虫で、棲息する生態系も領域的に限定される。

本種の発生地にはブナ、スギ、ホウノキ、トチ、ミズナラの森林帯があり、低木のタニウツギ、ガマズミ、ノリウツギ、アオキなどの植物が繁茂する氾濫台地 にて発見された。

同種の完全型でオサムシタンポタケCordyceps entomorrhiza Link.があり、子実体の先端にタンポ状の結実部をつくる。時に、柄の中間に不完全型の虫ピン様分生子をつくる場合がある。

本種の子実体storomataは黒色の針がね状、弾力性ある革質で硬い、地上部の高さは2.0〜8.0cmで太さは0.8-1.3mmになる。柄は不規則に屈曲し、白色虫ピン様の分生子柄を派生させる。分生胞子の大きさ10-12×1.7-2μ。

日本固有種。

N.M.I.による人工培養成功。

感染症 VOL.31 No.5より

N.M.I.
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