紀行・分類図鑑

冬虫夏草 アメイロツブタケ

アメイロツブタケ.jpg

アメイロツブタケ
Cordyceps falcatoides Y.Kobyasi et D.Shimizu

発生地:青森県・十和田
採集年月日:Aug.8,2006

鞘翅目Coleopteraの幼虫に寄生する冬虫夏草属菌の一種で、朽ち木生の幼 虫に寄生したものである。本菌は太針状の典型的なツブタケ型で虫体から3本の子実体を生じ、頭部の結実部には子嚢菌特有の子嚢殻Perithecumを裸 生的に叢生させる。

類似の冬虫夏草属菌の一つにナガツブハリタケC.elongatoperitheciata Y.Kobayasi et D.Shimizuがある。宿主となる昆虫も鱗翅目Lepidopteraの幼虫であり、子嚢殻の形態では前者は卵型、後者では長紡錘形で大きいのが特徴 の差である。

本種の子実体は円柱状で全体的にアメ色、大きさ17-24×0.8-1mm、平滑で先端は細まり突き出す。

子嚢殻は裸生で茶褐色、卵形、大きさ350-400×300-250μm、二次胞子sec-sporeの大きさ125-150×3μm。

ブナ、ケヤキ、ミズナラ、ヤマハンノキ、サワグルミなどの林内倒木の朽木上に発生する。

日本固有種。発生は極めて稀、1979年に十和田で発見され菌学会に報告、記録されている。

N.M.I.による人工培養成功。

感染症vol.37 No2より

N.M.I.
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