唾液腺ガン
庄司トミエさんの場合
「1988年に、横浜に住む弟の看病をしていました。もうひとりいる弟の住まいから、バスと電車を乗り継いで病院まで通う毎日でした。電車に乗っているとき、過労のせいでしょう。何度か気を失いかけたことがあります。
それでも無我夢中でしたから自分のことなど忘れていました。慣れない土地での病院通いが、いかにきついものなのか気付かされたのは退院する1週間前。病院内の施設を借り、そこに寝泊まりできた時です。体が幾分楽になったことでハッとしました。横浜での生活から自宅のある山形に戻るまで、3ヶ月の月日が流れていました。
普段の生活を取り戻し、ホッと一息ついた頃でした。左あごのあたりにゴロゴロしたしこりがあるのに気がついたのです。痛みはないけど、底苦しさがある。顔の左側にしびれも感じました。
早速、外科で診察してもらうと、『ホルモンバランスが崩れたため』と言われました。念のため耳鼻科でも調べてもらうと、今度は『唾液腺腫瘍』という聞き慣れない病名。主治医の説明では『良性だけれど一部に悪性の部分もある』ということでした。
最終的に手術に踏み切り、腫瘍部分を摘出しました。それは黒豆ぐらいの大きさがありました。唾液腺は左右に2本ずつあるんですね。この手術で1本を失いました。術前術後は抗ガン剤も放射線治療も一切やらず、その後の2年間は何事もなく無事に過ごしました。
1991年になると、当時を再現するような出来事が起こりました。今度は姉が病に倒れ、自宅から病院まで電車で通う毎日が始まりました。以前とは違い、慣れた土地でのことですが、病院から戻ればすぐに夕飯の仕度などの家事が待ちかまえています。その生活は40日間に及びました。そして一段落ついた頃、同じ場所に同じ症状が現れました。診断はリンパ管への転移。今度の手術は大がかりで拳大のものが摘出されました。これから先の転移を想定して、摘出範囲を広げたためです。
今回も抗ガン剤や放射線治療は一切やりませんでしたが、神経や筋肉が切断されたため、術後、左手が動かないという後遺症に悩まされました。術後から日本冬虫夏草を飲み始めました。病院のベッドの上で毎日200ccは飲んだと思います。退院してからも2年間は飲み続けました。そして今年の7月で5年目を迎えました。その間、転移も再発もなく元気に過ごしました。左手もだるさは残っていますが動くようになりました。
そして1996年の今年。母がクモ膜下出血で倒れ、現在看護の毎日を送っています。3度目にならぬ ようこの場を切り抜けたい。しばらく休んでいた日本冬虫夏草を先週から再び飲み始めました。 病は過労の後にやってきます。過労を避けて生きる工夫も必要でしょうが、ライフスタイルを変えるのは無理という人もいます。でも自分が病気になってからでは遅いんですよね」
朝日ウィル(北燈社)1996年12月3日号より
以後、トミエさんは自宅介護を11年近くされたそうです。現在、お母様は介護老人ホームに入居し、車イスでどこへでも行くし、とてもおしゃべりで、ホームの人たちとも会話を楽しんでおられるそうです。
| 1988年 |
弟の看病で毎日バスと電車で病院に通う。 3ヶ月後看病が終わり、普段の生活を取り戻す。 左あごあたりにしこりを発見。 唾液腺腫瘍との診断、黒豆大くらいの腫瘍摘出。 抗ガン剤や放射線治療はしない。 |
| 1991年 |
姉の看病で毎日電車で病院に通う生活40日間。 前回と同じ場所にしこりを発見。 リンパ管への転移との診断、腫瘍周囲含めた拳大の部位を摘出。 今回も抗ガン剤や放射線治療はしない。 日本冬虫夏草を飲み始める。 |
| 1996年 |
母の介護生活始まる。 3度同じことにならぬよう、再び日本冬虫夏草を飲み始める。 |
「1996年に母がクモ膜下出血で倒れて入院し、危とく状態に近いまま退院してから、ここまで回復するとは誰も想像できませんでした。退院した際、母にはひどい床ずれが出来ていました。それを自宅で7年かけて治しました。ここまでやってこれたのは、主人がよく手伝ってくれたおかげです。今は、体はいく分楽になりましたが、気持ちは常に母のところにあるので、それほど変わりません。
母の生命力には皆さん驚かれます。私の家は代々農家なので無農薬栽培のお米も作っておりますし、新鮮な採れたての野菜もふんだんに食べられます。長期出張から帰ってきた息子などは、「我家の野菜はやっぱり他と違うね。本当にうまいね』とバクバク食べてくれます。
そういう姿を見るにつけ、母の命を支えてくれたのも、私の再発を防いでくれたのも、こういった野菜を美味しくたっぷりいただく生活が一役買ってくれていたように思います。
再発なく無事に16年経過しました。冬虫夏草は今でも飲んでいます」
2007年6月28日ご本人の訪問より
「変わらず元気にしています」
2008年5月22日のお電話より
【あとがき】
病気になったとき、本人や家族がかかえる不安と動揺ははかり知れません。できることなら静かな気持ちでより良い治療を選択し、原因をつきとめ、生活改善にも取り組んでほしい。そのためには、同じ病気になったヒトはどのような医療を受け、どのような経緯を辿るのかをよく知ることが前提となるはずです。そのような思いから、自らの経験が役立つのならと貴重な情報を寄せてくださった方々です。特定の治療を否定したり、特定の商品について推奨するものではございません。
体験談の虚偽記載は一切ございません。
唾液腺ガン(唾液腺ガン/耳下腺ガン/顎下腺ガン/舌下腺ガン)について
唾液腺とは唾液をつくる組織のことで、大唾液腺と小唾液腺に分けて考えられます。さらに大唾液腺には耳下腺と顎下腺、舌下腺がありこの部分で作られた唾液は管を通じて口腔内(口のなか)に導かれます。
一方の小唾液腺は口の中の粘膜やのどの粘膜の一部に存在し、直接口の中に唾液を分泌しています。
唾液腺ガンとはこれらの唾液をつくる組織に発生するガンであり、耳下腺ガン、顎下腺ガン、舌下腺ガン、小唾液腺ガンに分類されます。
唾液腺ガン(唾液腺癌)は頭頸部ガンの一種ですが、頭頸部ガンの3%程度ととても稀なガンになります。
唾液腺ガンのうち最も多いのは耳下腺ガンで唾液腺ガンのうち60~70%、続いて顎下腺ガンが20~30%、舌下腺ガンは数%になります。
【唾液腺ガン(唾液腺癌)の症状】
耳下腺ガン、顎下腺ガン、舌下腺ガンで症状が異なります。
耳下腺ガンでは耳下部の痛み、腫れなどが現れることがあります。また、ガンが神経に浸潤した場合には顔面神経麻痺が起こることがあります。
顎下腺ガンでは顎下が腫れてきます。また痛みがでることもあります。
舌下腺ガンでは口の中の舌の下が腫れてきたり顎の骨の下が腫れてきたりします。硬く腫れてきて痛みが伴うような場合には舌下腺ガンである可能性が高くなります。
全ての唾液腺ガンで頚部(首)のリンパ節にシコリが触れることがあります。

